飲食店の来店動機は画像90%、味10%が理由のワケ|売上アップのカギはズバリ、味の研究より露出と接客
先日、私用で香港と深圳に行っていました。
古くから「食は広州にあり」と言いますが、何を見てもおいしそうに見えた、というのが実感です。
実際のところは、美味しい料理もありましたし、もう食べなくてもいいかな、と思う料理もありました。
日本人には馴染みのない八角の香りがすることが多いのが一因かもしれません。正直な感想は、成田空港第2ターミナルの吉野家で食べた豚生姜焼き定食が、一番おいしく感じました。
でも、ビジュアル的にはどうでしょう?
2018年の流行語に「インスタ映え」とあったように、今回食べたすべての料理の画像を並べたとき、食べてみたいと思う料理に、生姜焼き定食を選ぶ人は極めて少ないでしょう。
今日は、外食をする「動機」において、ビジュアルがどれだけ重要なのかを考えていきたいと思います。
外食は見た目が重要
ちょっと乱暴な言い方になりますが、お料理は「見た目」が重要です。
動機という点で考えた場合は、見た目90%、味10%と言ってもいいくらい、重要なのです。
以前、外食の利用シーンについてお話ししたときに、レジャー目的で外食をする、という利用シーンについて触れました。
これは純粋に、美味しそうなものを食べに行くという目的なのですが、人々はその情報源が口コミにせよ、雑誌にせよ、テレビ放送にせよ、必ず料理の画像を見て「美味しそう」と思うのです。
人から聞いただけで、想像したイメージだけで来店するなどということは、今の時代ほとんどあり得ないのです。人は必ず画像や映像を見て「美味しそう」「食べてみたい」「お店に行ってみたい」と思うのです。
外食は「不味くなければいい」と極論を言う人がいますが、この意味を汲み取ると「及第点であれば問題ない」と置き換えることができます。
これらを踏まえた上で、コスパがそこそこで、及第点レベルのお料理で運営しているお店であれば、次の運営の仕方を推奨したいと思います。
- 新規の顧客を獲得するためには、あらゆる手段を使って、お料理を美味しそうに見せる。全てのチャンスを生かし、考え得る全ての媒体を使って常に露出する。
- 見た目より味のクオリティが上回らない、という客観的な評価があるのであれば、口コミで書かれることを想定し、最高の接客レベルでフォローして、また来たいと思わせる努力をする。
後者については、ダメなポイントを穴埋めするような感じですが、画像や映像が来店動機、接客があなたのお店のセールスポイント、味はそこそこ、というあなたのお店の実態ですから、それでよいのです。
繰り返します。来店を促す前者の「あのお店に行ってみたい」という動機を生み出すのは、たった1枚のお料理の画像、動画であってもその瞬間の画像なのです。
私が香港で食べたいと思ったお料理は、事前の下調べで見た画像ですが、実際に現地のお店で選んだ料理は、メニュー表の中で一番おいしそうに見えた料理だったこともあります。
そのお店は、もうリピートしないけれど、お店にとっては確実に売上になるわけですよ。
メニュー開発においても、ビジュアル的にインパクトがあり、美味しそうに見えるような素材の選択、盛り付け方や切り方などにもこだわってみましょう。
ちなみに筆者の経験上、もっとも参考になる業態は、焼肉屋さんとお寿司屋さん、ラーメンの特集ページです。特に焼肉屋さんは、お肉のグレード以外で違いを表現する方法が限定されています。あなたが焼肉屋さんの特集ページで、もっとも美味しそうに見える画像を選んでみて、その画像のどこで「美味しそう」を感じ取ったのか考えてみるとヒントが得られるでしょう。