ビジネスの視点で小さな飲食店を見つめてみる
今日はビジネスという観点、端的に言えばお金儲けという視点でお話をします。
ハワイの大富豪、ロバートキヨサキさんの著書「金持ち父さん貧乏父さん」シリーズはとても有名ですが、読んだことはありますか?そして、このシリーズの中で「キャッシュフロークワドラント」という考え方があるのをご存知でしょうか?中身に深く触れてしまうと著作権などの問題になりかねないので詳しくはお話ししませんが、お金持ちは右側、そうでない多くの人達は左側のカテゴリーにいるというお話。左側のカテゴリーは会社から給料をもらっている従業員と、自分の時間を最大限に使って働かなくてはならない自営業者の二つに分かれるというものです。
この考え方は自分で小さな飲食店のオーナーをしている人であれば、身をもって経験しているだけあって、深くうなずける内容だと思います。そして、小さな飲食店が左側のお金持ちの世界に行くためには、手段が極々限られているということに気付くでしょう。もし読んだことがなければ一読をおススメします。
それと、労働時間と収入について考えてみます。
あなたが雇われの店長クラスであれば、業界の一般的な相場から考えて年収300万円~400万円程度かと思います。巷には月収40万円とか書かれた外食チェーンの求人広告を見ることもありますが、もしそれが本当ならイレギュラーでしょう。ちょっと首をかしげてしまいます。この業界は大学の新卒には不人気ですし、たいていが他職種から転職してきた中途採用が大半で、勤務歴が5年未満程度の社員がアルバイトを率いて現場が成り立っているものです。ですから、せいぜい大卒の初任給に毛が生えたくらいの月収しか頂いてないことでしょう。
それで、労働時間も長くて不当な残業も多いのが現実で、自宅で勤務シフトを作成したり、休みの日に欠品した食材の調達に走ったりしていることもあるかと思います。アルバイトの欠員が出れば出勤しなければなりません。そういった本当の実労働時間で月収を割ってみると、アルバイトよりも時給が低いなんて企業もあるでしょう。もちろんすべてがそういう企業だと言っているわけではありませんので誤解しないでくださいね。
ところが、世の中には8時出社で17時に定時で退勤、土日祝日がお休みで、年末年始やGW、お盆にはまとまった休みがある企業があります。そして年収も小さな飲食店よりも間違いなく高いのです。そんなの高学歴の人で、公務員と大企業だけでしょ?という反論がよくありますが、年末年始の帰省ラッシュで空港やJR、高速道路があれだけ混雑しているところを見ると、そうでもないと思いませんか?ちなみに中央省庁で働いている官僚の人たちは、小さな飲食店よりも長時間、毎晩深夜まで仕事をしている人もいます。
さて、この格差ってなぜだと思いますか?
ほとんど場合、これは業界の違いなのです。世の中には儲かる業界と儲からない業界があります。これは事実です。
外食は儲かる業界だと思いますか?そもそも外食産業なんて産業は業界の中にはないのです。株式市場の業種別を見ればわかります。
こういうことを知らないで、いつかは大金持ちを夢見て小さな飲食店をやっているのであれば不幸なので、少し勉強することを推奨します。そこが開業の一番の動機ならなおさらのことです。そして自分が進むべき道を見つめなおしたほうがいいでしょう。
そうではなくビジネスの常識を知ったうえで、小さな飲食店の仕事に生きがいを感じて、献身的に勤めているのであれば私は拍手を送って応援しますし、お客様にも支持されることでしょう。
小さな飲食店を続けるために儲けることは必須条件ですが、仕事に生きがいを感じて日々の業務にあたることは、すべての仕事と同様に必須条件なのです。