小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

あなたの業態にアドバンテージはあるか?

今日はこれから飲食店を開業したい方、業態変更をお考えの方に向けて「お店の業態にアドバンテージがあるか」というテーマでお話します。

 

まず、小さな飲食店の業態について考えてみます。ここで扱う業態とは、〇〇屋さんということを意味しています。例えば、定食屋さん、ラーメン屋さん、焼肉屋さん、といった具合です。あなたのお店は何屋さんですか?これから開業しようとしている方は、何屋さんをオープンしようと考えていますか?

 

お店の命運は業態によって左右される

 またちょっと乱暴な見出しを付けました。先日は儲かる業界と儲からない業界の話をしました。外食は儲からない業界でみなさんの年収も低いと申し上げます。それは業界がそうだから仕方がないことなのです。

 外食という業界の中でも成功しやすい業態と、そうではない業態があります。例えば業界には斜陽産業というものがあり、具体的な例を挙げますと、いま石炭を一生懸命に掘り起こすことができたとしても、儲からないことは明らかです。PCやスマホが普及している中で、鉛筆や消しゴム、ノートを一生懸命に売ろうとしても30年前ほど売れないのです。それは飲食業という小さな分野だけで考えても同じことが言えます。

 では、いったいどのような業態が強いのかを一緒に考えてみましょう。

 

万人受けして、ご当地食や話題性がある業態が強い

 万人受けとは、国民食と言える食べ物を扱う分野です。要するに老若男女を問わず、頻繁に食べられている食べ物を指します。例えば、そば、うどん、カレー、パン、ラーメン、お寿司、ハンバーグ、から揚げ、とんかつなどです。日本人は麺類が好きで、揚げ物に関してもも週平均3回くらい食卓に上がるそうです。例に挙げたそばやうどんは万人受けしますが、最近の潮流としてはそばよりうどんが支持されており、お店の数も増えています。そばは7大アレルギーの問題もありますし、そもそもそば粉は小麦粉よりも高い、製めんの難易度が高いなどお店側のハードルも高い食べ物です。

 パンはアクティブシニアと言われている最近の70代くらいも大好きな食べ物ですが、テイクアウトがメインでせいぜいイートインくらいです。パンとコーヒーをメインに提供する小さな飲食店というのはちょっとイメージがわきません。

 ハンバーグや、から揚げ、とんかつなどは消費者のイメージとして、ファミレスのような規模の大きな店舗か、テイクアウトのお弁当がメインになるでしょう。

 

 次にご当地食や話題性について考えてみましょう。

 

 これは最もわかりやすい例がラーメンです。全国各地にご当地ラーメンがあって、各地でお店同士がしのぎを削っています。ラーメンウォーカーなどの雑誌があるように、店舗そのものやその地域全体が話題になります。家系ラーメンが好きな人はその類のお店を毎週食べ歩いてみたり、何度も通ったりします。福岡に出張すれば、誰しもが博多のとんこつラーメンを食べるでしょう。

 

 もしこれが、窯焼きのピザだとしたらどうでしょうか?本場のイタリアで修業したナポリピザの職人さんが焼くピザは、本当に美味しいですし、生地をクルクル伸ばして窯に入れて焼く姿は最高のショーだと思います。ところが流行っているお店はほんの僅かだと思いませんか?それはピザという食べ物が、多くの日本人にとって定期的に食べられるような食事ではないということと、特定の地域全体で盛り上がっているような食べ物でもないという理由が挙げられます。ですから、窯焼きのピザ屋さんは最初からハンデキャップがある業態だと言えるのです。ここに少ない開業資本で小さな飲食店を作っても、成功する確率は非常に少ないと言えます。

 

 あなたの業態はこの2点において、最初からどのくらいアドバンテージはありますか?少し考えてみましょう。

 

同業者は相乗効果をもたらしてくれることもある

 

 同じような業態が近所に複数出店している場合、競走が激化するなどと言われます。パイの奪い合いのようなイメージがありますが、実際にはお客というパイが増えることが多く、地域全体のお店が活性していくこともあります。これが行き過ぎるとオーバーストア状態になり、競合から競争に移行し死活問題になってきます。ただしこれはかなり成熟してからの話です。ショッピングセンターのフードコートや飲食店街を見てみればわかりますが、ある程度の規模でしたら全体的にお客が入っていますが、SCの規模に対してお店の数が多すぎると過当競争になって閉店するお店が増えてきます。

 

利益率の高い業態、小さなお店が常識の業態、スタッフが少ない業態

 これらをまとめてわかりやすく簡潔に表現しますと、原価率が低くて、カウンター10席くらいが業態標準で、厨房1人とホール1人で十分回る業態ということです。テイクアウト専門とか出前専門などもこれに該当するでしょう。

 

 以上のことを総合して考えると、どういう業態にアドバンテージがあり、ハンデキャップを背負って始めなければならない業態がどのようなものなのか、想像できるかと思います。小さな飲食店は飛び立って軌道に乗るまでにどうしても時間軸が必要です。その時間を稼げずに運転資金がショートして廃業へと追い込まれる例が後を絶ちません。だからこそ、最初から有利な業態でお店を始めることをお勧めしたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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