平日のランチと労働者の発汗との関係性について|飲食店のランチメニュー開発で考慮すべき前提条件
今日は、平日のランチと発汗との関係性と言うお話をします。
健康診断の事前問診で「日常的に運動をしていますか」という問いがあります。筆者はジョギングを日課にしており、週末は登山をしたり、マラソン大会に参加したり、自転車で数時間のサイクリングをしたりします。汗をかくと、カラダがラーメンのような塩分の多い汁ものを欲します。何も考えなくても、自然と食べたくなるのです。
野球チームやサッカー等の球技、マラソンの市民ランナーなどは、試合やレースの後に、これまでの努力のご褒美と称して、みんなで焼肉パーティをしたり、居酒屋で打ち上げをしたりしています。一見これはただの暴飲暴食に思えますが、実際のところはカラダが要求しているのです。
冒頭の健康診断での問診や、メタボ、ダイエットなどを含めて、このことをもう少し日常に当てはめて考えてみます。ここでは、外食中心やコンビニ弁当中心の人、揚げ物が大好きな人など、健康な食生活にあまり興味がない人は除外して考えるとして、一般的な人たちについて話題を展開します。
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筆者は中学校の社会の授業で、戦後の貧しい時代から高度急成長を経る過程において、第1次産業より第2次産業、第3次産業へと産業構造が変化してきた、と学びました。
第2次産業もオートメーションが進み、町工場のような中小企業が減って、生産効率が高い機械による生産が増えた、とも学びました。
このことは、労働者を主軸に考えると、肉体労働が減って、デスクワークをする人が増えたと見ることができます。
これをもっとわかりやすく言うと、労働者が「汗をかかなくなった」と考えることが言えます。
いやいや冗談じゃない、小さな飲食店では、日常的に汗をかきっぱなしだよ、と反論があるでしょうが、オフィスで仕事をする人たち、は、空調が適切に管理された環境下で、年中座って仕事をしていることが多いのです。
会議や商談も、すべて室内で展開されています。
ですから、オフィスで仕事をしている人たちは、人一倍、健康管理にも気を配っていることが少なくありません。
あなたがフードコートなど、インナーのお店を運営しているのであれば、その中の物販のお店等でも汗をかかない仕事をしています。
実はこの、汗をかかない、体を動かさない、ということが、小さな飲食店にはかなり密接に関係していると考えられています。
スポーツの例で触れた通り、運動をするから食欲が増す、汗をかくからカラダが塩分を欲する、だから美味しいものをいっぱい食べても問題ない、外食をしよう、という行動フローがあるわけです。
労働者が汗をかかなくなった、汗をかいて仕事をするような労働者が減った、というところが外食の業界には逆風になっていると考えられます。
もちろん、少子高齢化と人口減少、節約志向、健康志向、低カロリー志向も理由ではありますが、労働における運動量の低下も関係しているということです。
ですから、パンチがあるランチメニューがバカ売れするということは、これからの将来では考えられないわけで、もしあなたがオフィス街でお店を構えているならば、今後のメニュー開発でよく考えなければならないでしょう。途中で触れた通り、揚げ物が大好きな人、外食中心の人というのも少なからずいるのですが、その人達の食の趣向と、カラダの要求は一致するとは限らないのです。
筆者がお話ししていることが、どうもピンとこない方は、その日の体調によって、缶コーヒーのブラックが美味しいと思えたり、受け付けなかったりするのを思い出してもらえればいいかと思います。
食欲というのは、思考の結果ではなく、体から発せられる信号だということに気付かなければなりません。その信号と、目や耳から入って来る食べ物の情報が一致したとき、消費行動につながるのです。