小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

小さな飲食店の売上・利益が、計画より大幅に未達の場合の考え方

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今日は、開業して半年にも満たない方を対象に、お話をします。

 

小さな飲食店を開業する前に、すべての人は事業計画を立てます。

 

日々の予測売上、客数、客単価について予測を立て、天候や大規模なイベントなど、何らかの理由で予測より売上が高い日、或いは低い日、それと土日祝日の売上など、細かく予測を立てていきます。

 

これが出来ない人は、小さな飲食店を開業することはできますが、持続的に経営することはできません。すべての数字を網羅することは、小さな飲食店にとって必修だと覚悟すべきです。極端な言い方をすれば、調理よりも数字が大切です。

 

さて、実際に開業してみると、初期のご祝儀的な売上の高い時期を経て、早々に安定期に入ります。

 

早ければ1週間くらい、遅くても3か月くらいであなたの成績がわかります。

 

この時点で、予測を上回っている人はハッピーですが、ほとんど場合は予測をアンダーしている残念な状況ではないかと思います。

 

今日は、ここでじっくり考えて、どうすべきかを考えていきましょう。

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さて、売上が大幅にアンダーしていれば「気付き」が早いのですが、僅かなアンダーであれば「気付き」が遅れて手が付けられなくなります。

 

「気付き」が遅れる理由は、単純に気付かなかったり、或いは楽観視からくるものではありません。悪いものに目を背けようとする、言い換えれば臭いものにフタをしめてしまうからです。

 

現状に正面から向き合い、事実に気付いた人は、当初の事業計画に近づけようと試みます。

 

これは大変良いことなのですが、実はあれこれと迷走することが多いのです。

 

一度迷走してしまうと、内部要因も外部要因も悪いところばかりが目立つようになり、理想的な状態に近づけるために、ありとあらゆる施策を打つようになります。

 

結果として顧客の信頼を失い、ますます客離れを起こします。

 

そして、迷走によっていろいろな手立てを打つようになると。時間も資金もいくらあっても足りず、結果として小さな変化ばかりで終わってしまいます。

 

小さな変化は、例え常連さんであっても、お客さんにはなかなか伝わりません。

 

店舗の売上が安定期に入ったならば、素直に現実を受け入れるべきだと考えます。

 

これが自分のお店の実力なのだと割り切るのです。

 

実力と言うと、こんなはずじゃなかったと、あなたのプライドが傷つくかもしれませんが、そうではなくて自分のお店の業態や立地などが、マーケットから得られる評価がそのくらいなのだと受け止めます。

 

そのように受け止めることが出来れば、あなたのお店に、あなたではない他の人が、違うエッセンスを吹き込んで同じ業態の飲食店を開業したとしても、ほぼ同じような成績となるということが理解できます。

 

廃業した居抜きのお店に、新たに飲食店が開業しても、たいていの場合、いずれ廃業します。このことは、多くの人が事実として理解していることでしょう。あなたの生まれ育った街の近所にも、そういうお店があったはずです。でも、それが当事者となると「自分は必ず成功できる」という根拠のない自信によって、目が見えなくなってしまうんです。なぜか、事実から目を背けてしまうんですね。

 

このブログで何度も繰り返し伝えていますが、店主やスタッフが自分自身を売ることが出来れば、少しずつファンが増えていき、徐々に高い売上を作り上げることができると断言しています。

 

ですが、それにも限度というものがあり、売上が今の2倍3倍になるなんてことは、極々稀な出来事です。

 

 

繰り返しになりますが、何十年にわたって、同じ物件でいろいろな飲食店が入れ代わり立ち代わりで、開店しては廃業する、また別の人が別の業態で開店しては廃業する、ということを繰り返す場所があります。

 

飲食店で独立しようと考える人は、根拠のない自信があることが多いので、自分なら成功すると信じてその物件で開業しますが、結局のところ、その物件では誰もが成功できないのです。

 

その物件は立地的に何かが市場のニーズに合致していないわけです。その何かがハッキリ見えないから、多くの開業希望者が自分なら成功できると考えてしまうわけですが、事実を謙虚に受け止める心さえあれば、始めからこの物件を選ばないわけで、失敗のリスクを回避することができるわけです。

 

この記事の本題とズレますが、物件は妥協してはいけません。結婚相手とは違います。理想通りの物件が出ない限り、5年でも10年でも待つべきなのです。

 

少々回りくどいお話をしましたが、開業前に立てた数値目標と、大きくかけ離れるような低水準で推移するようであれば、小手先の取り組みをするのはやめ、思い切って業態変更をするか、撤退したほうが賢明だという結論で結びます。数値目標より大きくかけ離れていないのであれば、愚直にお店のファンを増やしく、これ一択です。

 

筆者は大手チェーン店在籍時に、田舎にショッピングモールが新店で出店した際、そのインナーのフードコートに出店したことがありますが、たった7か月で撤退した経験があります。

 

大手チェーンでも立地選びに失敗するのです。

 

その物件は、3年経った後でも、そのテナントスペースは空いたままです。

 

商業施設のデベロッパーや大家さんは、空き物件を長い間放置したくはないので、より好条件で新しい入居者を募りますが、結局長続きしないことが大半です。

 

成功できない要因があるわけです。

 

 

また、こんなお話もあります。

 

近所で繁盛している定食屋さんが、キャパを増やすために僅か100m離れた場所に移転して、同じオーナーさんが空いた物件でラーメン屋さんを始めました。

 

移転先の定食屋さんは、さらに繁盛したのに対し、空いた物件で新しく始めたラーメン屋さんは、鳴かず飛ばずの成績で、ついに長期休業に追い込まれました。

 

これは、この地区では定食屋さんが支持される業態だったというのが事実で、このオーナーさんの人柄や物件には力がなかったと言えます。先に述べてきたことと矛盾するようですが、純粋に商品だけが評価されることもあるということです。

 

いくつかの例を取り上げましたが、事業計画を大きくアンダーするのであれば、勝てないレースに早々と見切りをつけて下りるべきです。余計なプライドは傷口を広げるだけ。法人もそうですが、マーケットから支持されていなければ、自ら早めに市場を去るべきなのです。

 

繰り返しますが、予測していた売上を下回っているのは、内的や外的な問題なのではなく、予測が間違っていたと考えるべきです。現状が事実だと素直に捉えることができれば、数値が大きく逸脱しているときの初期対応が早くとれるでしょう。開業前に精度の高い事業計画を立てるのはもちろんですが、開業前から事業計画を大幅に下回った時に、どの時点でどう対処するかということも、リアルに考えておくべきだと思います。資金も時間も使い果たしてはならないのです。

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