小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

売価の改悪について

 仕入れ先が、食材の価格を値上げしたので原価率が上がる。

 

 消費税が上がったので、当店も売価引き上げを検討せざるを得ない。

 

 ということがあります。

 

 そこで、企業努力はするもののスケールメリットがない小さな飲食店は、末端のお客様に負担していただくカタチで売価を上げる、いわゆる売価の改悪という選択でしか解決できないことがあります。

 

 お客様にとって、価格というのは最もわかりやすい物差しなので、改悪をすることにより、とてもシビアに反応が表れてきます。いわゆる客離れというやつです。

 

 消費税が上がったときに売価を変更し、お客様から「便乗値上げするな!」というお叱りをたくさん受けたことがあります。

 

 でもね、小さな飲食店はすべてのお客様の言うことを何でも聞いていたら潰れてしまうんですよ。それはあなた自身がよくわかっていると思います。お客様はお店の経営努力などお構いなしで文句を言います。相手が強くても弱くても、お客は一番偉いから、何でも言えるという厳しい社会なのです。

 

 だから、売価の変更に関しては、いかに慎重に対策を打つかというのが重要になってきます。

 

 ちょっと考えてもらいたいのですが、そもそも頻繁に外食をする人というのは、通常余剰資金があるわけです。生活がカツカツの人は3食自宅で食べるか、3食食べられないんですよ。そこをあなたのお店にも訪れるというのは、決してお金に困窮しているわけではないのです。もしくはお金の使い方に知識が欠如しているかです。

 

 そういうお客様が50円くらいの値上げに過剰反応するというのは、今までが商品の価格と提供する価値がピッタリ一致していたということなのですから、50円分の価値を上げる商品、またはサービスをプラスすればいいのです。

 

 ところが、50円分の価値を商品で上げるっていったい何ができるでしょうか?リピーターのお客さんでもはっきり分かるようなことって何が考えられますでしょう。

 

 大半のメニューで使用されているような、主となる食材(お米や小麦、付け添えの野菜など)が大きく値上がりする場合は量目を減らして、仕入れ原価の値上がりを吸収するという手法も選択肢の一つですが、全体的に商品を大きく再設計してリニューアルしたほうがポジティブな選択になるかと思います。

 

 商品の再設計は、今までの諸問題を改良する良い機会でもあります。日ごろから問題意識をもって、次にリニューアルするならここをこうしよう、というようなアイデアをたくさんストックしておくと、移行がスピーディに行えます。本部を抱えない小さな飲食店では、商品開発もあなた自身が行うでしょうから、この膨大な作業を、危機が訪れた時に備えて、平時から進めておかなければなりません。

 

 また売価の改悪時期についても、タイミングというのがあります。世の中の大きな潮流に乗るのか、その前が良いのか、または遅れた方が得策の場合だってあるでしょう。それらを見極めるのもあなたの腕の見せ所です。

 

 いずれにせよ、ただでは済まないのがこの売価の改悪なのです。

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