小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

飲食店を開業したい人必見!何をやりたいのか

 タイトルは飲食店を開業したい人、と括りましたが、すでに開業されたかたも参考になれば幸いです。

 

 巷には開業についてのプロセスを紹介している書籍やウェブサイトがたくさんあります。ノウハウについて具体的に書かれており、実務書として役に立つでしょう。

 

 開業へ向けて夢を描いている人にとっては、1冊のこういった書籍に触れて計画を進めていかれることでしょうが、できれば多くの情報に接してからご決断されたほうがいいと思います。

 

 今回は特に次のプロセスにおける①計画の段階もしくはそれ以前にある方に向けたお話です。

 

 プロセスにも大きく3段階があります。

 

①計画の段階

 融資の相談をしていたり、物件を探して不動産屋さんを訪問したり、会社を辞める決意をしている人

 

②スタンバイに入った段階

 会社に辞表を提出した人、物件を契約した人、融資を受けた人

 

③実際にスタートした段階

 お店をオープンした人

 

 さて、本題に移ります。

 

 夢に向かって目標を描き、そこへ向かって集中しているときは本当に楽しいものですよね。寝ないで考えて行動していても疲れないですし、休みの日に目標に向けて着々と計画を進めれば、人間らしく生きている実感があります。

 

 ですが、この業界は本当に厳しいのです。

 

 あなたがすでにこの業界で厨房もマネジメントもどちらも経験し、現役で勤務をされているのであれば、その大変さは身をもって知っているでしょうし、独立して自分のお店を持つことの厳しさやリスクは承知のことだと思います。それでも、なお挑戦するのでしたら相当確固たる自信や信念、人脈や資金がおありでしょうから、この先は読まなくても大丈夫です。ご検討を祈ります。

 

 そうではなく、あなたがもしこの業界以外から飛び込もうとしている立場であればぜひ一緒に考えてみてください。

 

 これを読まれている人は、おそらくすでに多くの書籍やセミナーなどに参加して、100人に5人くらいの確立でした成功できない、それも開業5年以上続く人は皆無、みたいなことを聞いていることでしょう。

 

 ところが、あなたには根拠のない自信があり、直感的に成功できると思っています。

 

 その自信は大切で、開業を目指す人は誰しも情熱と行動力に溢れ、その力が成功へまっしぐらに進むと信じています。

 

 それでいいのです。

 

 さて、これから1つご提案をさせてください。

 

 開業後は働きがいや創造する喜び、お客様がもたらす感動などと同じくらい幾多の困難が待ち受けています。それらは実際に経験してみないとわかりません。

 

 それらに打ち勝って、なおお店を運営していくのですが、あなたがそれらに打ち勝っていけるかどうかを、事前にお試し期間を設けてテストしてみるとよいと思います。

 

 私は開業に向けて、ノウハウを学ぼうと会社員をやめてフリーターになって数種の業態を掛け持ちし、毎日15時間以上、月に1日だけの休日で4か月間くらいテストをしてみました。

 

 年収は半分になって、メンタル面でもかなりツラい日々でしたが、家族の支えもあって乗り切れました。また、この業界の面白さが頭で描いていた通りだったのです。

 

 同時期に引き合いで数社から正社員登用へのお誘いを受けました。

 

 自分はセンスがあるのかな、と勘違いした時期でした。

 

 勘違いと申し上げたのは、この業界は薄給で離職率が高く、求人の募集をしても人が集まらないなので、引き合いがあるのはごく自然の流れだからです。そこにやりがいをもって献身的に働く人間が来たのですから当然の結果です。

 

 そんなことにも気づかず、正社員として一生懸命働きあっという間に5年の歳月が過ぎていたのです。

 

 私が自力で小さな飲食店で開業したいという情熱は、もはやそこにはありませんでした。固定給を頂いて運営しているだけで、中身は独立しているのとあまり変わらなかったのです。

 

 ところが運命とはわからないもので、ご縁があって融資を受けて飲食店を独立開業することになり、多店舗展開も果たしました。

 

 はじめから私は、自分が何屋さんをやりたいのかというのが定まっていませんでした。結局いろいろな業態を経験することができたのですが、最後まで何屋さんをやりたかった、というのがなかったです。

 

 私自身はすでに別の仕事を任されることになり業界から離れましたが、お店は別の方にバトンタッチしています。

 

 こうしていま自分自身の棚卸をして、次の人たちへ正しい方向へバトンを渡すことができるのはその当時の経験があるからです。

 

 

 ずいぶんと脱線しましたが、もしあなたが具体的にどのような飲食店を作りあげて運営したいのかというビジョンがあるのでしたら、似たようなリアルの店舗で経験されてからにしたほうがいいと思います。それと、同じ飲食業界でも異なる業態も経験してみるといいでしょう。

 

 こじんまりとしたカフェをやりたいのであれば、有名ドーナツチェーンや個人で経営されている喫茶店のホールスタッフとして働かせてもらうのもいいと思います。

 

 チェーン店ではピークタイムの大変さを知ったり、10歳以上若い女子高生があなたよりテキパキと仕事をこなす場面を見て自信をなくすこともあるでしょう。

 

 自営のお店では、数時間お客さんが来ない辛さを知ったり、たくさんの常連さんとのふれあいに感動することもあるでしょう。

 

 また、まったく違う業態、例えば和食のお店でひたすら皿洗いをしてみるとか、移動販売のたこやき屋さんにお願いして数日体験させてもらうとか、そういう経験もとても参考になります。

 

 そして、あなたが人生のかなりの時間と多額の費用を投じ、飲食店でいったい何をやろうとしているのかを見つめ直すのです。

 

 かなりの時間と申し上げたのは、失敗すれば多額の借り入れの返済にその後の人生の数年を捧げることになるからです。

 

 あなたに情熱と行動力があるのであれば、仕事をしながら1年くらいでこれらの経験を積むことは十分可能です。

 

 副業を禁止している会社で勤務しているにしても、独立するときは辞職するのですから心配いりません。

 

 1年間、夢の実現に向けてちょっと遠回りかもしれませんが、体験する価値があると思いませんか。

 

 老婆心ながら私からのご提案でした。

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