小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

古民家風の店舗で飲食店を開業する|内外装の魅力に騙されて入居してはいけない、これだけの理由

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今日は、古民家風の建物を借りて小さな飲食店を開きたい、と考えている人に向けて発信します。

 

古民家とまではいかないにしても、レトロな雰囲気を持った木造建築の家屋や空き店舗まで一括りにして、参考にしていただきたいと思います。

 

こういった物件で飲食店を開業したいと考えている方は、雰囲気にこだわりを持った店舗つくりをしたいのだと思います。

 

手作り感を出した内装、個性ある小物類、きっとステキなお店に仕上がるとことでしょう。

 

こういったお店は、お客さんにとっても魅力があり、一定の支持層が見込めることでしょう。

 

しかし、それ以上の代償を支払う覚悟が必要です。

 

今日はそのお話をしていきます。

 

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まず、居抜き店舗の場合、古民家でなくてもそうなのですが、業務用の冷蔵庫やエアコン、シンクなど水回り、フライヤー、エアコン、寒冷地であれば石油ストーブなど、譲り受けるものは現状での引き渡しになります。

 

物件を見せてもらう際にこれらをチェックするわけですが、可能であれば内装、外装、備品は別々の機会に分けてチェックすることをお勧めします。

 

なぜなら、1日ですべてをチェックしきれないからです。

 

古民家の外装が気に入った場合、外観の雰囲気は確認済みですので、目線が内装ばかりにいってしまい、実際の外装(亀裂や穴などネガティブな部分)のチェックがおろそかになり、備品の点検についても優先度がかなり低くなってしまいします。

 

内装や外装が気に入ってその物件を観察すると、どうしても「良好」という色眼鏡で全体を見てしまいがちです。

 

そのため、本来、経年劣化が激しい古民家は厳しくチェックされるべきなのに、チェックが甘くなるのです。

 

むしろ、それが魅力なんだよね、などと見誤ってしまうことすらあるのです。

 

そういったことを防ぐためにも、

  1. 内装
  2. 外観
  3. 備品

それぞれ、別の日程に分けて点検したほうがいいと思います。

 

強調しますが、点検をするのです。

 

有るか無いかを確認するだけではダメです。

 

機能や型番、使用年数などまで点検をします。

 

なぜ、こういう提案をするかと言いますと、まず、備品はかなりの確率で故障するという傾向があるからです。

 

常識的に考えて、居抜き店舗というのは、ほどんどの場合、廃業したから居抜きなわけで、店舗の資金繰りが悪化するなか、備品に設備投資するということはありえないわけです。

 

だとすると、残された備品類はそれなりに使い込んだものだということが、容易に想像できます。

 

要するに寿命がかなり近づいているということです。

 

特に業務用の冷蔵庫はよく故障します。

 

使用する環境や使い方も過酷なので当然です。

 

しかし買い替えに10万円くらいはかかるため、小さな飲食店においては致命傷になりかねません。

 

だから、最初からあまりアテにしないほうがいいでしょう。

 

また、エアコンやストーブは、機能しないとお客様の快適性を著しく損なうことから、適度な温湿度を保つのは必須です。

 

古民家や古い木造建築の場合、断熱材が入っていなかったり、隙間があったりして、気密性が乏しいと考えて間違いありません。

 

空調には特に注意が必要です。

 

空調の設定ができないビジネスホテルに満足できますか?

 

加湿器が無くて、乾燥して眠れなかった、というお客がどれだけ多いと思いますか?

 

お客さんの空調に対する要求は、飲食店にも厳しいのです。

 

故障のリスクがないかどうか、整備の状況をよく確認しましょう。

 

今どき、ラーメン屋なんだから寒くてもジャンバーを着て食べてさっさと帰ればいい、なんて屋台みたいな商売は通じません。

 

真夏に厨房のように暑い客席で、食事できますか?

 

でもまだたまにいるんだなあ…こういうことに無頓着な店主さんって。

 

古民家、古い家屋は排水設備も注意が必要です。

 

私はかなり苦労したことがあります。

 

そのお店は路面店でしたので、大家さんがいますが、あくまでも建物だけの契約。

 

付帯設備については(大家さんが)責任を負わない契約でした。

 

もとは、古民家を改装した喫茶店だったため、調理場から大量の排水を流すことを想定しておらず、開店前に簡易的なグリストラップを設置しましたが、すぐに詰まって溢れました。

 

営業中にキッチンの床が汚水で水浸しで、とても不衛生な状況になったことが数回ありました。

 

これも予想外のトラブルで、大きな出費になりました。

 

雨漏りも注意が必要です。

 

ある雨の日、天井からポタポタと雨漏りが。

 

次第にザーザーと漏れてきて店内がびしょ濡れに。

 

お客様には席を移ってもらい、ランチタイム終了後に閉店したこともあります。

 

理由は隣の公園の樹木の枯れ葉が屋根にたまり、雨水が排水溝に流れずに屋根裏に侵入したからでした。

 

そのせいで分電盤に伝ってショートして停電にもなりました。

 

さすがに大家さんと交渉して、何とか大家さんの保険で適応されましたが、簡単ではなかったです。

 

一時閉店による機会損失も見逃せません。

 

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ちなみに、気密性がない古民家は、空調に関するランニングコストがかなりかかります。

 

これも痛手です。

 

隙間があれば、虫の侵入も激しく、ハエくらいならまだしも、ゴキブリや蟻、クモ、ゲジなど、歩行性のあり、しかも早く移動するものが現れたら、店内はもうパニックです。

 

燃費が悪いけれど大好きなアメリカの旧車に乗ることを選ぶか、堅実にハイブリットカーを選ぶか、基本的に物件も考え方は一緒なのです。

 

古民家風の物件は人気があり、カフェなどに流用されますが、実はかなり注意が必要だということが少しだけ伝わったでしょうか。

 

悪いことは言いません。

 

やめるべきです。

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