小さな飲食店の問題解決

飲食店が生き残るために手を打つべき事項をご紹介します

小さな飲食店のワンコインランチ|売上アップの即効性はあるが、絶対にやめた方がいい理由

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今日はワンコインランチについて話をします。

 

初投稿から1年が経過してこの話を読み返したとき、もっと多くの人に読んでいただきたいと思ったので、編集して再投稿します。

 

筆者は小さな飲食店を運営していた際、日替わりでワンコインランチを提供したこともありますし、チェーン店での店長時代には、半額セールなどで失敗した経験があります。

 

そのときの経験と考察を踏まえ、ワンコインランチと、小さな飲食店で安売りをすることについての危険性について、お話を進めていきます。

 

小さな飲食店に対しては、後にも先にも安売りを推奨する話はしませんので、そのつもりで読んでください。

 

思いとどまるなら今です。

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客数や売上低迷は誰でも経験する、だから焦ってはならない

お店をオープンしてからまだ軌道に乗り始める前や、軌道に乗っているけれど低迷期に突入している時期というのがあります。

 

飲食店は、昔から2月と8月の売上が落ちると言われており、たまたま閑散期と低迷期が重なっただけなのかもしれないのに、渦中の本人にとっては冷静に考えることが出来ず、まるですべてのお客さんから、無視をされているかのようで、不安な気持ちになってしまうものです。

 

これが、商業施設のインストアであれば、施設全体の入館客数の推移と比較できますし、チェーン店であればチェーン全体の売上推移との比較ができるので、低迷の理由がわかりやすいものです。

 

その場合、低迷の原因が商業施設やチェーン全体の不振と深く関係しているため、成績がパラレルであれば気持ち的に安心できたり、外的要因のせいにできたりします。

 

ただし、これはあくまでもメンタル面での安心であって、根本的な解決はむしろ難しくなります。

 

もし、商業施設全体の入館客数が右肩下がりなら、あなたがいくら頑張っても潮流に逆らえないからです。

 

もし、チェーン全体が不振なら、本部が抜本的な対策を打てない限り、どこまでも落ち続けて縮小していきます。

 

いっぽう、小さな飲食店においては、客観的な比較対象がないため、不振の原因を特定することが難しいものです。

 

以前お話ししたと思いますが、不振の原因というのは一つに特定されるのではなく、あらゆる要因が複雑に絡んでいるのです。

 

だから、あれこれ悩んでしまいます。

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不振の原因をモテない原因に例えて考えてみる

 異性にモテないと悩んだり、適齢期を過ぎても結婚できないと悩んでいる人は、この世の中に数多くいます。

 

当の本人にとっては深刻な悩みで、外見を気にして容姿に関することにお金を投じてみたり、出会いの場に積極的に参加してみたりします。

 

ところがなかなか成果が出ずに、開き直って自分らしく振舞っていると、突然のようにあなたに魅力を感じた人が現れたりします。

 

何度も離婚していても、またすぐに再婚できる人っていますが、そういう人はたいてい自分らしさに魅力があるものです。

 

あくまでも比喩的な例として出した話ですが、ここで私が言いたいことは、小さな飲食店では、あまり余計なことをせずに、来る日も来る日もやるべきことをしっかりやりましょう、という話です。

 

そうすれば、時間はかかっても、必ずお客さんは集まってくるものです。

 

問題は、それを信じられるかどうか。

 

あれこれ迷ってブレていくから上手くいかないんです。

 

そもそもお客というのは、反応が遅いのです。

 

新雪の上でスキーに乗るように、力を入れてから、ワンテンポ遅れて反応がやって来るのです。

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あれこれ悩んだ時に絶対にやってはいけない価格訴求

タイトルにあるワンコインランチについてです。

 

私たちはお客さんが来ない原因を、ついつい価格のせいにしてしまいがちです。

 

某企業の創業者の方は、お客にとってメリットがあるのは価格だけではないが、価格こそが最もわかりやすい尺度だと言っています。

 

私もその意見には賛成です。

 

ただし、価格での勝負と言うのは、消耗戦でもあり持久戦です。

 

基礎体力がない人が長距離を走ろうとしても、最後まで完走すらできないのと似ています。

 

資金の全てをFXに投じてしまうのと似ています。ちょっと外的要因がブレるとご破算になってしますのです。

 

小さな飲食店においては、価格を下げる行為は、ご破算へ急降下する、自殺行為に限りなく近いということです。

 

価格競争ができるのは、購買や生産効率などにおいてスケールメリットのある大手企業のみであって、小さな飲食店にはやり方はマネが出来ても、その中身をマネすることは出来ないのです。

 

ワンコインメニューは飲食店における安売りの代名詞のようなもので、お客さんにもそのお得感がストレートに伝わる売り方です。

 

ですから、PRさえしっかりすれば、即効性がありすぐに客数が増えていきます。

 

ところが売上は伸びていきません。

 

ピークタイムが忙しくなって、仕込み量も増えて、全体的なオペレーションが増えているのに、売上は横ばいで儲けが出ない状態に突入します。

 

そして、お客さんはあなたのお店の価値を、ワンコインランチでしか評価しなくなり、ワンコインランチをやめれば、一気に売上も客数も低迷して、売上回復が困難どころか絶望的になります。

 

価格に対する信頼性を失うのです。

 

ワンコインランチで提供していたメニューが、正規の料金でもかなりのお値打ち感があったとしても。

 

ちなみに、すべてのメニューを、常にワンコインで提供して成功している例は確かにあります。

 

でもそれは、始めからワンコインで利益が取れる仕組みなんですよ。

 

雑誌やフリーペーパー、中にはワンコインパスポートなどといった広告媒体もあります。

 

これらに掲載すると間違いなくお客は増えます。

 

必ず増えると、断言します。だから広告の営業担当も自信を持って進めてきます。

 

でも、利益が増えるとは決して言いませんよ。

 

お客さんが増えるとは言いますけど、具体的にどのくらい売上が上がるとは言いません。

 

とあるA店ではこの販促で、〇〇%売上が上がったという話はしてきますよ。

 

あなたは初めて出会った営業担当者の話、すべて信じますか?

 

冷静になりましょうよ。

 

一番得をするのは誰だと思いますか?

 

お店からお金を貰って広告を掲載し、消費者に広告媒体を販売する広告業者が、一挙両得、ダブルで儲かって最も得をしているのは自明です。

 

次に、お金を払って広告媒体を購入し、おなたのお店でワンコインランチを利用している消費者。

 

では一番損をしているのはいったい誰でしょうか?

 

もうおわかりですよね?

 

広告業者へお金を支払い、利益の出ない収支トントンでワンコインランチを提供している小さな飲食店が、一番損をしている仕組みなのです。

 

しかも、作業量が多くなり、人件費も上がり、接客サービスまで落としてしまうという副作用まで残して。

 

ワンコインランチの怖さ、少しは伝わったでしょうか?

 

お店の安売りは、あなた自身という人間の安売りとも言えます。

 

結婚適齢期を過ぎたからと言って、どこまで相手を妥協しますか?

 

妥協したら幸せになれるわけがないじゃないですか。

 

世の中、焦ってはいけないのです。

 

時は必ず味方します。

 

コツコツ焦らず自分らしくお店を運営しましょう。

 

自分を信じて、お客さんを信じて頑張ってみましょう。

 

あなたならきっと大丈夫です。

 

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