飲食店経営は、勝っているうちに辞めるべき。その理由とは?
競合が多い世界でトップを走り続けることは不可能
飲食店に限らず、どんな商売でも、またスポーツの世界でも、ゲームの世界でも、参入者が多い世界では、長くトップを走り続けるということは不可能です。
あなたのお店が、たとえ地域ナンバーワンであったとしても、そう長く続けることはできないでしょう。
歴史を見る限りでは、一代で成功した事例はあっても、小さな飲食店のように、成長せずに細々と勝ち続ける例は、ほとんどお目にかかったことはありません。
筆者が出店していたお店は、読者の投稿による某グルメサイトで、しばらくの間地域ナンバーワンの評価を得ており、当時のランチタイムは本当に満席状態が数回転続き、売上も絶好調でした。
自作で立ち上げた無料ホームページも、稚拙な内容でしたがアクセス数が高いらしく、無料ホームページサービスを提供する企業から、案件を提案されたことがあったくらいです。
ところがそういうことは、長く続ないものです。
理由はいろいろあったのだと振り返りますが、一番の理由はブームでしょうか。
ブームが去ると、常連さんは残るのですが、そうでないお客さんは、どんどん下降して下げ止まりするのです。
この下げ止まりの状態が「安定期」言い換えるならばこのお店の「本当の実力」なのだと思います。
当時はこの「本当の実力」がわからずに、なぜ売上が低迷しているのだろう、と毎日真剣に悩んだものです。
身を引いてからわかりました。
チェーン店ではこういう事象がほとんどないですし、本部の社員以外は深く考えることがないでしょうが、ブランドがない小さな飲食店では、こういうことが起きるのです。
何度か別の記事の中でも触れましたが、小さな飲食店とチェーン店では、飲食店という同じカテゴリーにあっても、あらゆる面で実態が違うと言えます。
それは机上での理屈ではなく、実際に両方で経験してみてわかることでした。
あなたのお店がお店をオープンさせて軌道に乗り、高く飛んでいる時期であったり、下降して低空飛行している時期のいずれにあるようであれば、この記事の内容がリアルに感じてもらえると思います。
一度低空飛行に移行すると、再浮上は非常に困難だと言えます。
繰り返しますが、低空飛行は売り上げの低迷ではなくて、お店の実力なのだということです。
ですから再び高く飛ぼうと思わずに、身を引くことも検討すべきだと思います。
なお、この身を引くということは撤退・廃業といったネガティブなものだけではありません。
チェーン店では業態変更というのをよくやります。
箱の中身はほぼ同じですが、看板だけ換えることもよくやります。移転も選択肢の一つです。
中途半端なリニューアルはおすすめしません。
また、低空飛行が長く続くと運転資金が目減りしてしまい、廃業しか選択肢がなくなることがあります。
そうなる前に積極的な施策を打つことを推奨します。